足立朝日

この本

掲載:2020年3月5日号
★「話すチカラ」安住紳一郎・齋藤孝著/ダイヤモンド社/1400円+税
 TBSの安住紳一郎アナウンサーの明治大学時代の恩師は、文学部の齋藤孝教授。今をときめくこの2人が、同書で思う存分「話すチカラ」について語り尽くす。さらに、安住アナが明大で教職課程をとる後輩たちに向けて行った講義の内容も掲載。
 「わかりやすく話す」「人間関係がうまくいく話し方」「話すためのインプット」「日本語の面白さにハマる」「上機嫌で話すマインドセット」の5章について、まさしく目から鱗状態の話オンパレード。帯の「雑談/説明/報告/プレゼン/スピーチ/交渉/電話/会話 すべてが上達!」「話し方のツボがすべてわかる!」というキャッチコピーは、多分正しい。読後に無性に誰かと話したくなるのは、「人前で話す実践」を重ねたくなった証拠だ。
 師弟関係の2人の考え方のみならず、生き方にも触れることができ、魅力的な2人の存在を再認識する。かつてテレビ番組で、安住アナが自分の将来を語る時、一度だけ涙した。同書に書かれたこれだけのことを日々思い、感じ、闘い続けているならば、歯がゆいことの連続だろう。今はまだ、一会社員として変革に取り組む覚悟が見え隠れするが、いつの日か自身が思い描く未来に向けて飛翔してほしいと心から願う。
 赤の他人にそんな思いを抱かせる同書。ビートたけしいわく「こういう本は一生に一度は読まなきゃ!」。同感だ。