足立朝日

「千住あおぞら文庫」を利用して! 千住東の佐堀竹子さん

掲載:2021年2月5日号
 本好きが高じて溜まった本が何と2600冊。路地裏の自宅の物置を改造して「千住あおぞら文庫」を開設し、近所のお年寄りや主婦、子どもたちにせっせと貸し出している人がいる。
 千住東1丁目在住の佐堀竹子さん(77)だ。「読みたい本があったら、何冊でも、何週間でもお貸ししますよ。まず見に来てください」と呼びかけている。
 そもそも佐堀さんが、地域文庫を開こうと思い立ったのが、約10年前の千住旭町の区立常東図書館の閉館がきっかけ。同図書館は、区内でも一番小規模の図書館で、それだけに地域の人に愛され、佐堀さんを始め利用する人も多く、正に「町の図書室」だった。
 しかし、区は合理化策の一つとして閉館を決定、1カ月前に突然の通知。佐堀さんたち利用者は署名を集め、閉館に反対したが、区は閉館を強行した。
 「もう、くやしさと淋しさで、何とかできないかと考え、この地域文庫の開設を思い立ちました」と佐堀さん。
 佐堀さんは、これまで年1回の区立中央図書館の「本のとらばーゆ」(収容出来なくなった本を、古い順に希望者に提供する日)には必ず駆けつけて好みの本を集めていた。文庫づくりを知った友人や知人からたくさんの本が届いた。
 物置の改造、看板絵、ウォールポケットなども、みな地域の人たちの好意の塊だ。
 玄関のドアに、本の表紙のコピーを貼る、文庫の裏の塀に掲示板を設置するなどしてPR、「近所の常連さんはもちろん、通りすがりの人も気付いて『見せてください』と声をかけてくれる。大歓迎です」。本の話になると顔が輝く。
 それにしてもなぜ文庫をと聞くと「いつの間にかこんなことに……」と口ごもる。
 ちなみに、佐堀さんの祖母は、明治期の社会主義者で、ゾルゲ事件にも連座した九津見房子さんだ。
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【千住あおぞら文庫お勧めの本―抜粋】
▼「原発に反対しながら研究をつづける小出裕章さんのおはなし」(小出裕章監修、野村保子著、クレヨンハウス)
▼「ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?」(三枝義浩著、講談社DC)
▼「サイレント・ブレス」(南杏子著、幻冬舎)
▼「カモメに飛ぶことを教えた猫」(ルイス・セブルベダ著、白水社)
▼「ふふふふ」(井上ひさし著、講談社文庫)
▼「さよなら わたしの本屋さん」(ペーター・ヘルトリング著、さ・え・ら書房
【メモ】「千住あおぞら文庫」=千住東1-16-7、TEL070・5024・6470佐堀

写真上/物置を改造した「千住あおぞら文庫」の入り口で佐堀さん
下/路地裏にある塀の掲示板にも本がいっぱい