足立朝日

龍芳太極拳代表 大竹 由美(よしみ)さん(62歳)

掲載:2009年4月5日号
足立区武術太極拳連盟副会長
足立1丁目在住


 大竹さんは今、太極拳の本場・中国で、修行の日々を送っている。数十回目となる渡航だが、帰国日は未定。滞在期間は目指すレベルを習得するまでだという。
 04年中国鄭州で63カ国が参加して開かれた「第1回世界伝統武術大会」で、楊式太極拳、武当太極剣、集団種目の3部門で金メダル。06年邯鄲で80数カ国参加の「国際太極拳大会」でも優勝した。世界の頂点を極めてもなお、技に磨きをかけたいという情熱が大竹さんを駆り立てる。
 太極拳を始めたのは、35歳の時。2人の娘の公害病ぜんそくの治療のためにと、区が募集していたセンターの教室に親子で入ったのがきっかけだった。娘たちはすぐやめてしまったが、大竹さんは翌年出会った先生の人柄に惚れ込み、以来生活は太極拳一筋に変わった。
 「老人ホームを慰問したい。足立区が健康な人が住む街になれば」との想いから指導員の資格を取得。気づいたら区内で30以上の教室を開設していた。その傍ら、簡化太極拳の創始者・李天驥老師の娘、李徳芳老師に弟子入りもした。
 主宰する「龍芳太極拳」では夫の文秀さんの補佐を得ながら、7歳~60代の老若男女を指導。教えるのは技だけではない。挨拶と礼儀はもちろん、子どもたちには、自分の気持ちを人に伝わるよう表現できるようにと、大会後に感想文を書かせて発表させる。
 「人として人間として、心豊かに通じ合えることが一番大事」。そこには大竹さん自身の経験がある。
 国内の大会で、毎回「また会おうぜ」と声をかけてくれる選手がいた。「彼のたったそのひと言で、どれだけ心が豊かになったか。その言葉があるから1年頑張って次も出ようと思った。なければやめていたかも」。
 今の夢は障害者の指導という。以前から行政に働きかけているが、なかなか実現しない。太極拳は柔らかい筋肉を作り、気の流れを整えてストレスなどによる自律神経の乱れを改善する。誰でも構えずに少しずつ、楽しくできる場を提供したいと、今日も技を磨き伝え続けている。
【龍芳太極拳】千寿第五小体育館で、毎週火曜午後7~8時半。☎3889・9718大竹(夜間)