8月31日(木)~9月10日(日)、シアター1010の舞台上に、新たな250席の小劇場が設けられる。称して「ミニ11(イレブン)」。その第1弾は「ソフィストリー」(作=ジョナサン・マーク・シャーマン)。訳と演出は、1010「新派」も手掛ける青井陽治。朝倉摂、沢田祐二、宇野善子、高橋巖、市川森一の超豪華スタッフがアドバイザーとして、若手スタッフを支える。
1010舞台上に小劇場

ニューイングランドの小さな大学で起きたセクハラ告発事件。訴えられたのは、永年勤続の哲学教授・ホワイティー(中山仁)。訴えたのは、ドラッグ漬けの男子学生・ジャック(中村優一、樋口武彦Wキャスト)。真相がうやむやのまま、学長のクインターナ(新橋耐子)はホワイティーを解雇。納得できない大学新聞の記者・ロビン(田畑亜弥、中里真美Wキャスト)
中山仁氏
と、恋人のエクス(黒田勇樹、北川能功Wキャスト)がそれぞれ真相を求める。エクスの友人・ウイリーに野島直人と喜久嶋剛、イゴーに海老澤健次と鈴木裕樹がWキャスト。ロビンの友人に大貫杏里、安藤サクラがWキャスト。テレビのニュースキャスターに越智正雄。セクハラ告発を軸に、卒業までの若者たちの日々と思いが、流れる会話の中で弾け踊る。
ホワイティー演じる中山は、早稲田大学中退後、文学座養成所などを経て、昭和43年「双頭の鷲」で関わった三島由紀夫らと劇団「浪漫劇場」を立ち上げ活躍。生の三島を知る数少ない俳優である。同年「エランドール賞新人賞」を受賞。テレビでは「ウルトラマン80」「七人の刑事」「サインはV」などで老若男女のファンを獲得。テレビ、映画、舞台であらゆるジャンルの役をこなして、この「ソフィストリー」に臨む。中山の思い描くホワイティーは、55歳・アル中で貧乏なホモセクシャルの男。Wキャストの若者たちを相手に、どのように孤独な教授像を創り込むかを模索している。
中山の妻で女優の寺田史は、俳優・寺田農の妹。その父は著名な画家・寺田政明。「妻の両親が大好きで、一人でもよく遊びに行った」と懐古する中山の瞳は、デビュー作のテレビドラマ「乱れる」で、一途な青年を演じた頃そのもの。年月を重ねて、さらに深みを増した眼差しが美しい。ベテランの中山、新橋の演技に誘発されて、黒田を始めとする若者たちの成長が期待される。俳優集団「D―BOYS」の中村、鈴木も現在大ブレイク中。
チケット℡5244・1011。全席指定5000円、フレンズ4500円。
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全国の主要都市を会場に、毎年行われるNHK学園生涯学習フェスティバル俳句大会の「足立俳句大会」が、8月20日にシアター1010で開催される。俳句界の大御所が壇上に立つ同大会は、俳句ファンには見逃せない至福のひととき。
午後1時開会。NHKの杉浦圭子アナウンサーの司会で、宇佐美義久・NHK学園文芸センター長、鈴木恒年区長、市川森一館長があいさつ予定。金子兜太(とうた)氏が「俳句と養生」をテーマに講演する。金子氏は「海程」主宰、日本芸術院会員、現代俳句協会名誉会長、NHK学園友の会選者。蛇笏賞、現代俳句協会大賞、日本芸術院賞などを受賞。句集「少年」「両神」など多数。
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今年もまたシアター1010主催「笑いのハイスクール」が、同劇場やアトリエなどで開校する。校長は「ゲバゲバ90分」「全員集合」などバラエティの巨匠・奥山恍伸さん。「ザ・芸人」をテーマに、豪華メンバーが続々登場する。
その第1弾は、8月26日(土)、劇場での「爆笑開校式」特別講義。昼の部は小沢昭一さん、夜の部は永六輔さんが講師を務める超豪華版。お2人からの特別講師としてのコメントも粋。「芸というものは、不確かなものですので、何とお話していいか。とにかく、皆さんとお目にかかってからトロトロと申し上げたいと思います」(小沢講師)。
「千住を1010……一寸恥ずかしいこの駄洒落から一席」(永講師)
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新派の華、水谷八重子が再びシアター1010に登場する。今回の作品は、北條秀司の喜劇の最高作といわれる「江戸みやげ・狐狸狐狸ばなし(二幕)」。1010新派で演技力が注目された松村雄基、宮川浩が共演する。
江戸吉原田圃に、上方流れの女形・伊之助(松村)が、手拭い職に就きながら、千住で女郎をしていた「おきわ」(水谷)と暮らす。家事一切を黙々とこなす伊之助を横目に、おきわは昼間から茶碗酒を浴びる始末。さらに裏手の閻魔堂住職の重善(宮川)と密通。千住の金持ちの娘おそめ(小川恵莉)が重善に惚れていることを知ると、おきわは重善に「女房にしろ」と迫る。「それなら伊之助を殺してこい」とうそぶく重善の言葉を真に受けて、おきわは伊之助を毒殺。ところが死んだはずの伊之助が、重善と一緒のおきわを迎えに来る。恐怖に、おきわは気がふれるが……。
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太平洋戦争末期、海軍の「神風」、陸軍の「振武隊」など様々な「特攻隊」により、20歳前後の若者たち四千数百人が、未来ある命を散らした。
ここは、シアター1010の稽古場。片隅にピアノと跳び箱とボールが置かれ、小学校の体育館をイメージさせる。演目は「ピアノのはなし」。京楽座主宰の俳優・中西和久が音楽教師・上野歌子の話を元に脚本を書き、コンサートドラマとして演じ続けている作品である。出演者は中西とピアニストの遠藤有子の2人。
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宮沢賢治原作「銀河鉄道の夜」が、この20日から遂にシアター1010で上演される。台本は脚本界の重鎮・市川森一、たおやかな詩人的演出家の中村哮夫、劇場音楽の第一人者・甲斐正人、舞台美術の大御所・朝倉摂らが総力を結集。演じるのはミュージカル劇団「わらび座」。秋田の「たざわこ芸術村」にある「わらび劇場」を拠点に1年間ロングラン後、日本全国で400回近く上演。今回、シアター1010初の1カ月公演を行うが、教委の呼びかけで区内小・中学校60校が観劇。
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唐十郎の「秘密の花園」が4月15日(土)~30日(日)、シアター1010で上演される。同作品は、唐がニューヨーク滞在時に、なぜか「日暮里」をイメージして、下北沢・本多劇場の開場記念公演(82年)のために書き下ろした力作。今回の上演にあたり、その顔ぶれの豪華さも話題になっている。
日暮里のアパートに住むキャバレーの女・一葉(いちよ)と、その姉・双葉(もろは)の2役を、ベテラン大女優の三田佳子。一葉のもとへ通い詰めながら結ばれない愛人を松田洋治。一葉の裏悲しい夫を大澄賢也が演じる。その他、唐作品ではお馴染みの金守珍(キム・スジン)、十貫寺梅軒、大久保鷹ら。演出・三枝健起、美術・朝倉摂、音響・高橋巖、照明・沢田祐二、音楽・三枝成彰ら、超一流スタッフ。プロデューサーは、三田の夫でもある高橋康夫。シアター1010館長・市川森一と、三枝(健)、高橋は、大河ドラマなどで長年タッグを組んできた仲間。踊り子役で唐の14歳の娘・大鶴美仁音(みにおん)が、今作品でデビューするというトピックスも。
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唐十郎の「秘密の花園」が4月15日(土)~30日(日)、シアター1010で上演される。同作品は、唐がニューヨーク滞在時に、なぜか「日暮里」をイメージして、下北沢・本多劇場の開場記念公演(82年)のために書き下ろした力作。今回の上演にあたり、その顔ぶれの豪華さも話題になっている。
日暮里のアパートに住むキャバレーの女・一葉(いちよ)と、その姉・双葉(もろは)の2役を、ベテラン大女優の三田佳子。一葉のもとへ通い詰めながら結ばれない愛人を松田洋治。一葉の裏悲しい夫を大澄賢也が演じる。その他、唐作品ではお馴染みの金守珍(キム・スジン)、十貫寺梅軒、大久保鷹ら。演出・三枝健起、美術・朝倉摂、音響・高橋巖、照明・沢田祐二、音楽・三枝成彰ら、超一流スタッフ。プロデューサーは、三田の夫でもある高橋康夫。シアター1010館長・市川森一と、三枝(健)、高橋は、大河ドラマなどで長年タッグを組んできた仲間。踊り子役で唐の14歳の娘・大鶴美仁音(みにおん)が、今作品でデビューするというトピックスも。
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3月4日から、区民待望の「梅沢武生劇団・梅沢富美男のスペシャルライブ」がシアター1010で始まった。ご存知、心ときめく立ち姿の座長は、兄の武生、艶やかな女形は弟の富美男。千住と梅沢劇団の縁は深い。千住寿町にあった「寿劇場」は、剣劇の大スターであった父故・清と、娘歌舞伎出身の母故・竹沢龍千代が、40年前に大衆演劇の拠点として演じていた懐かしい場所。今回、当時と同じ気持ちに戻ってシアター1010の舞台に立つために、チラシにも「原点」の2文字を刷り込んだ。
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足立区出身の名女優・小川眞由美が、ふるさとの舞台に立つ。2月17日(金)~26日(日)、シアター1010で上演される「ベルナルダ・アルバの家」(平成17年度芸術文化振興基金助成事業、18年都民芸術フェスティバル参加公演、シアター1010製作)で、残酷なまでに誇り高い名家の女主人・ベルナルダを演じる。スペインの偉大な詩人で劇作家のフェデリコ・ガルシア・ロルカのこの作品(訳・田尻陽一)を、高瀬久男が演出。美術は朝倉摂、照明は沢田祐二という豪華スタッフ。アングスティアス(富沢亜古)、マグダレナ(かんのひとみ)、アメリア(入江純)、マルティリオ(鬼頭典子)、アデラ(占部房子)ら5人の娘をはじめ、母親(竹田恵子)の人生まで自分の手の中に納めようとする冷酷なベルナルダ。娘たちへ非情な言葉を浴びせ、プライドと心をズタズタに引き裂く。ベルナルダに尽くすラ・ポンシァ(山本道子)や女中(中川雅子)、村人の誰にも心を許さず、己の生き方のみを信じる。
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