足立朝日

東洋大学 常務理事 油井 貫行 さん(78) 花畑在住

掲載:2017年10月5日号
幅広い知識を駆使して新たな挑戦

白山上からの眺望を背景に、広く明るい窓、ゆったりとしたソファと机が整備された部屋……この執務室の主は、花畑在住の油井貫行さんである。
 油井さんが、昨年9月26日に東洋大学(文京区白山)の常務理事に就任してから1年。今年、創立130周年を迎える同大学の財務部門の重責を担い、大学改革に参画する日々を送っている。常務理事は、卒業生、教員、学識経験者から各一人が選出され、油井さんは卒業生として就任。それまでに理事会監事を経験してきたことから、長年の地道な努力と誠実・実直な人柄が評価されての人事となった。
油井さんは生粋の足立っ子で、花畑小学校・第十三中、江北高校の卒業生。中学卒業時には、父親が経営する工場での作業を体得し、高校時代には既に現場での作業をこなしていた。東洋大学進学後も、仕事と勉学を両立。優秀賞を授与されて卒業した。父親の後を継いで社長となってからは、経済学の知識をフルに活かし、平成元年から工場のオートメーション化に取り組んだ。その土地が、区画整理の対象となったことを機に昨年工場を閉めたが、「すぐに母校で常務理事を務めることになり、こうして新たなことに挑戦できるのはとてもうれしいこと」と感謝。業務の中で、建設会社を始めとする企業トップと会うこともあるが、工場で製作してきたサーチライトの反射鏡や、様々な道具の扱い方などの深い知識があるため、先方に驚かれて話が盛り上がる。「周囲は東大卒の語学堪能なエリート陣。でも、私の場合は足立区で培った幅広い雑学が日々の業務に活きている」と目を細め胸を張る。また、後輩であるオリンピック水泳金メダリストの萩野公介選手や、陸上で日本人史上初の9秒98を記録した桐生祥秀選手らを間近で応援できる喜びも噛み締めている。
取材時は、第十四中の2年生4人が記者体験のために同行(7面参照)。油井さんは「継続は力なり。今の時代は英語が必要。音楽でも何でも常に英語を聞く努力を。異性に興味を持つ年頃、『この人はすごい!』と尊敬できる女性を見極める目を養って」とアドバイス。油井さんの妻は、足立区女性団体連合会元会長、足立区教育委員会元教育委員長などの要職を歴任し、現在も足立区社会福祉協議会の理事として活躍する油井久仁子さん。
真に説得力のあるアドバイスは、信頼に基づいた夫婦力の表れでもある。